銀行の就職人気ランキング上昇について

2024年卒学生を対象とした「マイナビ・日経 2024年卒大学生就職企業人気ランキング」

「コンサルよりも激務ではない印象がある」「土日が休み」「高収入」そんな銀行のイメージから、就職人気ランキングで復調の兆しが見られます。そこでメガバンク経験者として現状を解説します。

筆者が考えるメガバンクの魅力

なぜ就職人気ランキングで再び上位に名を連ねるようになったか、筆者の目線で理由をご説明してみたいと思います。メガバンクに新卒で入社するメリットは下記の点が挙げられます。

  1. ホワイト企業に変わった(勤務時間短縮、パワハラ減少等)
  2. 働き方改革(リモートワークなど働き方の柔軟化、DX化、副業解禁等)
  3. ネームバリューがある(大企業・比較的高収入、そもそものビジネスモデルの強さなど)
  4. 社会人基礎力が身につく(最低限の営業力、社内調整力、財務関連の知識等)
  5. 転職力がある(若手がまあまあ鍛えられている、アルムナイ制度で復帰も柔軟化)

2010年代後半、メガバンクの就職人気ランキングが下がった理由には古い組織、労働環境が悪い、パワハラが多い、転勤が多い、などの印象があり、学生が求める働きやすい会社とは異なる点があるように感じます。

ところが、2020年代以降、勤務形態や企業風土改革など、これまでの銀行にはなかった動きが出てきました。コロナ下を経てリモートワークが日常化したり、副業を解禁やキャリア採用の増加などで人材の多様化や人手不足への対応を進めるなど、古い組織であるといったイメージが少しづつ払拭されつつあります。

また、半沢直樹の世界に描かれているような、「上司の言うことは絶対」、「パワハラが横行している」といった状況はほとんど見られなくなりました。また、キャリアステップについて本人の要望をできるだけ反映するなど、可能な限り一人一人に寄り添った人事を行うことを心掛けるようになりました。

その結果、学生にとっては「そんなにしんどくないけど高収入になれる」、といったいわゆる「コスパの良い就職先」という印象が強くなったのではないかと思います。その点についてはその通りではないかと感じます。自身にとっても激務のイメージはなくなってきたし、有給の取得日数や有休取得の心理的ハードルは年々下がっているのが現状です。

つまり、メガバンクはパワハラや激務がなくなって有給が取りやすくなったけど、給料は良くも悪くも昔からあまり変わっていない、ということです。

また、昔から特に変化はありませんが、メガバンクに新卒で就職することのメリットとして社会人基礎力が養われることが挙げられると思います。営業をする、営業で成果・数字を挙げる、営業部店の計数集計・牽引する、取引先の偉い人(中小企業では社長、中堅企業や大企業では部長クラスや役員など)を相手に商談する経験を得られる、複数の部署を巻き込んで案件を動かす、金融・財務・語学等の知識習得、など一定のスキルはほとんどの社員が身に付けられるので、他の業界でも応用できるものが多いと思います。

加えて社会人5年目くらいだと、他の大企業等に比べて給料が高くなかったりするので、そのことを踏まえると「給料のわりに上記のような能力がある人材が多い」ので、転職市場では有利ではないかと思います。逆に10年以上経験して昇格・昇給すると「給料のわりに能力が低い人材が多い」と思われて、他業界に転職することはハードルが高くなります。

メガバンク就職時の注意点

  1. クリエイティブな業務は少ない
  2. 企業独自の業務が多い(マーケットバリューが頭打ちになる)
  3. それほど高収入でもない
  4. 配属先によって得られるスキルが大きく異なる

メガバンクに就職するときに考えなければいけないことは、「クリエイティブな仕事が少ない」ということです。銀行の仕事は、言われたことをやるだけの仕事はつまらない、ということを言いたいわけではなく、金融機関の業務全般に言えることかもしれませんが、基本的には財務や業界を分析したり、キャッシュフロー(数字)等から客観的に分析して業務を進めることなどが多い、ということです。

営業に繋がる独自の人間力や交渉力・提案力などは強みにすることができますが、デザインを考える、人を引き付ける文才、アイディアを創り出してモノやサービスを開発する、といった機会がありません。このような新しい商品やサービスを考える力が求められないため、そこを強みにしている学生にとってはスキルが活かされないことになります。

就職時に考えるべきこと

まずは自己分析をしっかり行うべきだと思います。

クリエイティブな仕事をやりたい学生には向かない就職先になりますが、例えば将来何かで起業したい、ワークライフバランスを重視しながら高収入を目指したい、グローバルな仕事をしたい、といった学生に適しているので、特にやりたいことが見つからない場合でも志望してみては良いのではないかと思います。

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